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Thread (1030 ) -- STAP細胞:超弩級の驚愕!細胞はPH5で25分処理すると初期化される!
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No. 2163 (2014/01/29 10:08) べ

http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/pdf/nature12968.pdf

夜のニュースで紹介されていましたが説明が何のコッチャラ?だったのでObokataという名前とNatureで検索して原典を読みました。

正真正銘、超弩級の驚愕です!! 「トリビアの泉」風に紹介すると 「細胞をPH5付近で25分間処理するとES細胞みたいな幹細胞ができる。」しかも10^6個あたりとかそんなケチくさい率ではありません。半分くらいの細胞が初期化されるのだと書いてあります。

え〜っ???PHをさげて25分処理するだけで半分が!!! え〜っ???そんなバナナ!!!

この幹細胞は‘stimulus-triggered acquisition of pluripotency’ (STAP)細胞と名付けられています。レンチウイルスベクターの構築に汗を書いている先生方!去年の夏にScienceに載った化学物質でiPSを試しているヒト(わたしもその一人!)などいろいろおられるとおもいますが、高い試薬を買わなくても、レンチベクターが動物から排出されていないことを証明してP2グレードダウンとかそんなことに時間を使わなくても、ただpH下げるだけでいいみたいですよ!皆さんご苦労さんでした。

要するに刺激を与えると細胞が持っている初期化システムが働いて初期化するのではないか?という風に考えているようです。Intrinsic にそのような経路が存在するとすればiPS以上に細胞分化に関する概念を変革させる発見だとおもいます。Obokita先生スゴイ!(まだ、お若い女性の先生です!)

STAPとESが比較検討されていますが、まずSTAPはESのように増えずにむしろ培養すると死亡?するようです。培養7日目にはOct4+の細胞塊があるので、これをカットしてブラストにインジェクションするとキメラができる。またテトラプロイドのブラストにいれて100%キメラ形成能も確かめています。

でも増えないと扱いにくいですし、卵子にインジェクションして体に戻してからは増えるわけなので、ちゃんと増やし方も検討してくれています。 ACTH-LIFメディウムの中では増えてくれるポピュレーションが取れるそうです。この時ES 細胞マーカーのEsrrbの発現も始まるようなので、STAPがES化したということだと思います。こういう状態のをSTAP-SC(stem cell)と呼ぶそうです。本当におどろきました!


No. 2164 (2014/01/29 10:27) べ

http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/pdf/nature12969.pdf

ObokitaさんのNは連報になっています。STAP細胞はESよりももっと初期化されたスゴイ細胞だというはなしです。こっちはWakayamaさんがラストオーサーです。

基本的にES細胞は胎盤に分化しません(ごくごく稀には分化することを目撃したことはあるのですが、実験で証明できるレベルではありませんでした)。でもできたてのSTAP細胞をブラストインジェクションすると胎盤にも寄与したそうです。1週間でできるのも魅力的ですねえ!

最初の論文ではACTH-LIFで培養することにより増えないSTAPを増殖できるSTAP-SCというES様の細胞に変化を促していますが、その場合には胎盤への分化能がなくなります。そこで、この論文ではFgf4を加えたtrophoblast stem-cell mediumで培養すると体にもトロフォブラストにも分化出来る幹細胞(FI-SC)ができるということです!

結局最初にできるSTAPは原始的な幹細胞でそのままで体細胞にも胎盤にもなれる。一方STAPをACTH—LIFで培養するとES細胞ができ、Fgf4を入れることによって体細胞にも胎盤にもなれるFI-SCができる。ここからES細胞にするにはLIFだけでいいと、そういう細胞系譜がかけるようです。

心筋梗塞の患者には壊死したあたりで生き残っている細胞をPH5の条件を25分さらせば、あら不思議!心筋が蘇生てなことがあと何年かしたら出来上がるのかも知れませんね。脊損の患者さんも最初にグリアができるのでそのあと神経ができなくなるのでダメとか(スイマセンちょっとうろおぼえです)そんなことだったように思いますが、初期化できるのならダメージを受けたあたりを酸性化すればグリアも神経幹細胞に再変化!いろんな応用が考えられます。発生学だけではなくて、医療にも直結しそうな超大発見だと思います。みなさんも是非コメントをお寄せ下さい!


No. 2165 (2014/01/29 07:36) 伊川

関係者の先生方、おめでとうございます!

ざっと読んだ印象ですが、死にそうな刺激を受けるとなんとか再生しようと脱分化する細胞が現れるという、私の理解で間違ってないでしょうか。 そうなるとプラナリアやイモリの切断からの組織再生に近い物を感じますね。同じメカニズム? sperm egg的に考えると、精子の侵入も卵子にとっては、とてつもない刺激ですよね。 受精という刺激そのものも重要な役割を果たしている?

考えるだけで妄想が広がります!関係者の先生方に感謝です!


No. 2172 (2014/02/02 02:51) Cumulina

べさま コメントをありがとうございます。核移植を一番の専門にしているのに、核移植のいらない初期化方法を発表して、自分で自分の首を絞めている論文の関係者です。今回の小保方さんの発見はすごすぎたのかレフェリーに相手にしてもらえず、ずいぶん苦労しました。いまマスコミでリケジョとか違う方向で話題になっていますが、本当にすごい研究者で膨大な実験を徹夜続きで行いました。論文ですが、サプリにたくさんのデータが乗っていますが、それもほんの一部です。たとえば細胞の樹立がなかなかできず、STAP細胞を注入したキメラ胚を使って初めて樹立に成功したデータは、当初それだけで論文にするつもりでしっかりした表と解析を行っていたのですが、途中から直接簡単に樹立できるようになり、葬り去られました。実験中にどんどん発展していったのでしょうがないですが、STAP細胞の将来がすごく楽しみです。


No. 2173 (2014/02/02 03:42) べ

Cumulinaさんおめでとうございます!

線維芽細胞に4種の転写因子を入れるだけで細胞が初期化されるというiPS細胞の発見は大きなおどろきでしたが、これまでの知識の延長線上に乗っているので理解することは可能でした。でもpH5.7で25分間で初期化するというのはこれまでの常識の延長線上には存在しないので、誰がレフリーだったとしても、この論文はそう簡単に通すとは言えないと思います。否定的な言い方をすればメカニズムが不明なのでこの論文はDescriptiveであるということになりますからね。あまりにも途方も無いので「からくり」が分からないままに受理ということですよね。その途方もなさから受理は当然ですが多くのヒトが信じられないという感想のままで、そのからくりが明らかになるのを待つしかないですね。

7日間でSTAP細胞が出来てしまうというのは、いろんな病気の治療法を模索している研究者にとって信じられないくらいのヤル気を起こさせると思います。iPS細胞による計画の全体像も、STAP細胞の出現を念頭に再構築しないといけないかも知れませんね。私の友人が神経細胞が損傷するという病気に罹患したのですが、in vivoでもSTAP細胞化ができるようになればこういうのって治療できるかもしれないという希望が湧きますね!

あっさり書かれていましたが、STAP細胞からSTAPSCに変化させるACTH-LIFの開発だけでも大発見で、いろいろと苦労されたに違いないことはわかります。今後多くの研究者が取り組むようになればこの超大発見の仕組みがわかってくると思います。

それにしてもマウスクローンとSTAP細胞と2つの大仕事をものにされたCumulinaさんは、本当にホームランバッターですねえ!SpermEggersの一員として誇りに思います!


No. 2180 (2014/03/09 06:44) とある若手

こんばんは。こちらにコメントするのは初めてです。 STAP細胞論文の息の根を止める、筆頭著者の博士論文からの画像流用が明らかになった一日が終わろうとしています(以下参照)。 http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/nature-article.html

筆頭著者の関与した論文のほとんどで画像や文章の使い回しが発覚し、今回のNature2報で提示されている実験結果やそれに基づく考察について、論文が主張することを信じることは現時点で不可能です。内部調査は既に開始されているそうですのでその結果は待ちたいと思います。

ただ、既に私たちも含めて多くのグループが、STAPについて再現をとるために論文や特許で公開されている条件や、さらにそこからの条件を振った上での再現実験を試みていますが単に死細胞が多く出現するだけでした。私たちもnewbornのOct4−GFPマウス由来脾臓のCD45+分画や、MEFから実験を行い、自家蛍光を発する死細胞が出現する様子を観察しました。私が直接コンタクトをとった範囲でさえも世界中で多くのトップラボが、酸処理後に生きたOct4-GFP陽性細胞を得る追試に失敗していることが分かりました。新しく公開されたプロトコルも期待薄で貴重な時間と研究費をかけて再現実験をする気になれません。

今でも私はSTAPという現象はあったらいいな、あったら面白いなと思っていました。しかし、現状ではみっともない"些細な"コピペだらけのNature2報については撤回するのが当然でしょう。しっかりと再現性のある形で提示できない限り過去のMAPCやVSELなどの並ぶ棚にSTAP細胞も並ぶことになりそうですね。

ぜひとも今後の模範となる責任のある対応を関係者の先生方には取っていただくことを期待しています。特にコレスポンディングオーサーの皆様におかれましては加藤茂明先生の捏造事件の際の加藤先生の対応と最低限同レベルの責任(=辞職)を取ることを真剣に考えていただきたいです。特に、以下のインタビューで、 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20140203-OYT8T00370.htm >Q: 今や全国のヒロインとなった小保方さんに続く若手研究者は今後出ると思うか。 >A: 彼女は次元が違い、難しいかもしれない と言われてしまった、彼女とは次元が違う、画像やバンドの使い回しをしたことのない若手研究者の一人としては切に願います。


No. 2181 (2014/03/15 02:51) べ

驚愕のSTAP細胞に関してSpermEggで大いに盛上ろうと思っていましたが、理研の調査の中間報告では論文取り下げに向かって進むという全く予想もしなかった残念な展開になっています。

実はもうすぐ発売される細胞工学の4月号のセルテクアラカルトという欄に私は「NatureやScienceに掲載されている(ガン関係)の報告の9割近くが再現性に問題と抱えている。」という問題をとりあげた文章を書いています。私の主張は受精の研究もKO実験以前に大切と報告されていた因子のほぼすべてがKO実験で否定されてしまいガン関係の分野と似た状況である。また受精の分野にかぎらず、様々な分野で重要と思われる遺伝子をKOしてみても思い通り(?)の結果が出るものは少ない。(山中先生も最初はKOで幹細胞を攻めようと思っていたのですが、重要と思われる遺伝子をKOしても何も起こらないことが多いので業を煮やして、外から因子を加えるという方針に変更したというふうに聞いています。)事程左様にin vitroの実験で何かが大切と示唆されても、in vivoとは根本的に異なるという弱点があるので、KOで覆される事が多いという趣旨でした。

原稿を渡した後で、STAP細胞が発表されたので、後書きとして、「in vitroで細胞をいじるのもすごい発見につながることもありますね。キャイ~ン!」と書いて急遽付け加えてもらったのですが、その後STAP細胞もまた再現性が問われることになってしまいました。再度、後書きを付け加える余裕がなかったのでそのままになりましたが、今となっては後書き部分が蛇足になってしまった感があります。SpermEggersの皆さんは後書き抜きでお読み下さい。

SpermEggにmisconductに関する指摘が投稿されても構わないのですが、その範囲で盛り上がることはMLとして意図しておりません。ここではSTAP細胞が再現できる、あるいはできないという議論にフォーカスしてゆければと思います。ご協力ありがとうございます。


No. 2182 (2014/03/15 04:42) あ

KOで全てが明らかになったというような論調は明らかに言い過ぎで、なぜならKOは「マウスにおいては」という限定が付き、また実験動物としてのマウスはその歴史が長いが故にstrain間でも同じ結果にならないことも多いのもしばしば経験するからです。むろんヒトでどうなってるかも別問題であることも多く、最近の風潮で何か基礎研究で新発見があると「創薬に繋がる可能性」とか「画期的な治療法へ」を強調しすぎる風潮も大きな問題を時にはらんでいることを個人的には強く感じます(要するに科学の世界にも変な「お約束」が横行している。理由は言わずもがな)。

近代科学の本質は「真実を明らかにする」ことではなくて、「モデルを構築すること」なのですから、実験を行ったときの現時点での方法論で導き出されたことが、後の世に覆されることはむしろ当たり前です。コペルニクス以前のプトレマイオスの宇宙観も今からみれば大笑いでも、当時の最先端科学であったことは間違い無く、偉大なコペルニクスにしても「自然は真空を嫌う」という当時の科学常識から抜け出せず、宇宙の広大さを知らなかったために「天動説派」からの批判に答えられなかったという話も伝わっています。

要はこのSTAPのおかげでこういう細胞が「ある」ことは実験的に証明される可能性はあっても、「ない」という結論は自然科学の方法論からは導けないことを我々は胆に銘じるべきでしょう。

一つ間違えば「大阪城や徳川埋蔵金探し」のようになる可能性を生んでしまった・・ということでしょうか。


No. 2183 (2014/03/15 08:41) べ

コメントありがとうございます。

KOがそれまで積み上げてきた実験結果を壊すことがしばしばであるという論調にしたつもりですが、自分たちのKOの成果をいつもドヤ顔で自慢していると受け取られているのでKO万能論者と誤解されているのかな?というふうに反省します。多分、そういうところがあるに違いありません。私の不徳のいたすところです。勿論KOは万能ではありません。

でも最近のCRISPRシステムでKOはESの存在しない動物にも適用可能になったので、マウスに限定される時代は終わったと思います。植物でもヒト細胞でもなんでもOKで、これからいろんなのが出てくるのではないでしょうか。

科学の本質が何なのかは私にはよくわかりません。PIなら科研費の獲得も念頭に置かないといけない場面も出てくると思いますが、本質部分は自分にとって面白いかどうか。情熱を燃やせるかどうかではないかと思います。「徳川埋蔵金探し」がブームなので自分も探してみようというのはダメでしょうね。だれがなんと言おうと探すという意気込みで掘っていると、埋蔵金は出なかったとしても何か出てくるそういう仕組になってるのかなと思います。(神様が見ている説?)


No. 2184 (2014/03/15 10:38) あ

>>でも最近のCRISPRシステムでKOはESの存在しない動物にも適用可能になったので、 >>マウスに限定される時代は終わったと思います。

そうですね。従ってKO「マウス」で言われていたことも必ずしも正しくない、ということが明らかになるなってくる可能性も十分に考えられるわけです。

但し、そうなってとしてもKOマウスで得た実験結果が全く無価値になるか・・と言えばそうとも限らない、ということを申し上げたかったのです。

In vitroの実験の怪しさがKOのような技術革新のdriving forceに成ったとも言えるわけです。捏造は論外だが、なぜin vitroではそういう結果が導かれたのかの検証は、一見地味でやる気のしない作業に思えるかもしれませんが、案外副産物を産んでくれるかもしれません。

Essentialな分子にはむしろ二重三重のsafety netがかけられてるとも実際多くあるわけで、糖鎖の話などわからないことだらけ。まあ、色んなopenな議論があって研究成果に忌憚なく意見を述べられる土壌を作り、間違いを恐れずに(間違えたなら故意でないなら修正すればいい)おっしゃるとおり基本的に情熱を持って仕事が続けられるのが理想ですね(すばらしい研究結果を「ドヤ顔で自慢!」。エクスタシーを感じる成果に対してはそうなるのはごくごく生物として自然です!)

ただ自戒も込めて例えば「No phenotype」とか「OO-specific」なんていう表現は注意しないと、「言えること」と「言い過ぎ」「妄想」をよりきちんと考えて区別しないと、時に苦しいことになる場合があることを十分注意する必要性は今後ますます重要になると思います。

科学研究なんて、狙ったことが明らかになったことなど科学史上殆ど無い。大事なことはマスコミを利用することなどは二の次として、粛々と若い人も老人も萎縮せずに情熱を持って研究に打ち込める環境を維持し、その裾野を広げることです。名古屋や仙台に優秀なフィギュア選手が輩出されるのは偶然ではないですね。

いつのまにか書かされるようになった、科研費等のPIになると「私は決して不正行為・不適切経理はしません」なんて屈辱的な宣誓書の提出みたいなアホくさいことは、この辺で終わりにすべく我々も真剣に考えなければ情熱を持った「埋蔵金探し」に挑戦するヒトの絶対数をますます↓とする結果になるでしょう。


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