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Thread (1200 ) -- 遺伝子治療に新展開!!!
No. 2449--べ.
No. 2449 (2024/02/29 09:00) べ

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38418872/

Crispr/CAS9システムの出現によりhomologous recombinationの時代に比べると比較にならないくらいゲノム編集が簡便に行えるようになりました。そのためCrespr/CAS9のシステムを医療分野に応用して遺伝病を治療するという論文が出始めており、将来はもっと一般的に行われるようになると思います。 しかしながら遺伝子を編集することに抵抗を感じる人がいるのも確かです。

その抵抗感を大きく低減させる方法として遺伝子そのものには変化を与えずエピジェネティックな制御で遺伝子の発現を調節するというものが考えられます。 言うは安く行うは難しですが、上記の論文にはマウスでこれが可能であることが示されています。

特定の領域にメチル化を起こさせるにはそこに酵素をターゲットしないといけませんがそれにはたとえば不活化Cas9やTALE、ZFPなんかでもいいのですがここではED20というZFPを用いた複合体(KRAB, cdDNMT3A, DNMT3L)が最も効率が良かったということで使われています。

ターゲット遺伝子として肝臓での脂質代謝に関係しているPCSK9が選ばれています。そして肝臓への導入には脂質ナノ粒子(LNP)が使われています。その結果PCSK9が低下していますが、肝臓を切除して再生肝を作らせても効果は続いたということでエピジェネのマークは持続しているということでした。驚きは一回投与でこれが達成されるということです!一過性のETR導入という遺伝子治療分野におけるエキサイティングな可能性がしめされましたが基礎分野でもこれはいろんな使い方ができそうです! 最近の科学の発達は本当にすごいスピードです!


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