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Thread (1202 ) -- ブタの「肝臓」が初めてヒトに移植されました!?!?
No. 2451--べ. No. 2457--べ. No. 2469--べ.
No. 2451 (2024/03/28 03:37) べ

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38514875/

遺伝子操作ブタの肝臓が初めてヒトに移植されたそうです。 肝臓はアルブミンなどいろんなタンパク質を分泌して血中に放出するのですが、それらのすべてをヒト化しておくことは不可能なので肝臓は長期間の移植には適していない臓器だそうです。心臓や腎臓もいろんなものを分泌しているはずですがメインはポンプ機能やろ過機能なので比較的長期間の移植が可能なのだそうです。

今回は「肝臓」の移植なので、短期間のリリーフという扱いで行われたということです。よくわからなかったのですがチューブでつなぎ生体内には入れなかったという記述もあったのでもしもそうなら真の移植とは呼びにくいかもしれません。

アメリカでは臓器移植用に遺伝子をTGとKOをあわせて100重にも改変したブタが使われています。日本でもこのブタの卵子を輸入して移植で生まれたというニュースがありました。今回のブタは中国で作製された多重遺伝子改変ブタのようです。臓器のソースとして究極的にはヒトiPS由来のものが使われるようになるのかなと思いますが、それまではヒト化ブタの作製競争が続きそうですね。

異種臓器移植にはブタ(形や大きさがヒトに似ている)が使用される場合が多いのですが、ヒトの体の中に入れてどんな大きさに収まるのかに私は興味があります。再生肝ができるときは元の大きさを覚えているのでしょうか?どんな仕組みで大きさが調整されているのでしょうか?臓器の大きさや形を司る仕組みはあるのでしょうか?細胞の自律的な制御の結果なのでしょうか?以前ESをブラストシストにいれてマウス・ラットキメラを作って観察したのですが体の大きさはブラストシストまたは胎盤に依存しているのかもしれないと言うこと以外特にいいアイデアは浮かびませんでした。


No. 2457 (2024/05/31 09:04) べ

3月に紹介した遺伝子をヒト化したブタの肝臓を移植された人は健康に過ごしているそうです。

https://www.nature.com/articles/d41586-024-01613-4?utm_source=Live+Audience&utm_campaign=0962315a41-nature-briefing-daily-20240531&utm_medium=email&utm_term=0_b27a691814-0962315a41-51193704

ブタの肝臓なのでこの人の体の中でブタ・アルブミンが産生されているそうです。これって免疫反応起こっても不思議ではないと思うのですがどうなんでしょうね?免疫抑制剤で制御可能なんですかね?細胞性免疫でなければそんなに悪さしないんでしょうか?

アルブミン以外にもいろいろなタンパク質が分泌されていると思いますが、それらは全部ブタの配列で分泌されるので同じ心配があります。またブタの肝臓にはブタの血管が張り巡らされているはずです。これらは今後、新陳代謝でヒトの血管細胞に置き変わるのか?あるいはブタの血管細胞の幹細胞が移植片に含まれていてブタ血管として再生するのか?ブタ血管とヒト血管のつなぎ目は長期間うまく折り合いがつけられるのか?などいろんな未知の領域がありますね。

いずれにしても、この人が今後も健康に過ごせれば、異種移植はICSIと同じように結果オーライの技術としてその地位を確立してゆくことになるのでしょうか。


No. 2469 (2024/11/21 01:04) べ

Soma, T. et al. Lancet https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)01764-1 (2024).

遺伝子編集でヒト化したブタの臓器を用いた移植医療が実用化に向けて進みつつあります。iPS界隈のニュースはどうなってるのかなと思っていたのですが、阪大医学部の西田先生の研究室で2年前に角膜移植した患者の視力が回復し、定着しているという論文が最近報告されたようです。角膜というのは幹細胞があって再生しつづけている組織なんですね。知りませんでした。ただ、視力回復が移植iPSによるものとは断定できないんだそうです。iPSにBFP遺伝子何かを入れておけば、目の色で証明できるのかもしれませんが、ヒトなのでそうもいかないですね。

心臓や腎臓のような大きな組織をiPSから作り出すのはまだまだ時間がかかるのでこれらの臓器では今後も異種移植が主流であるかもしれませんが、角膜のように単純な構造(?)の組織はiPSが得意とする分野として棲み分けが起こるのかもしれません。パーキンソン病の治療にiPS細胞からドパミンニューロンを分化させて線条体に移植するとかいうのもやられているので早く成功例の報告を見たいですね。

角膜やドパミンニューロンの移植なら「自分」のアイデンティティーに疑問を持つヒトはいないと思いますが、もしアルツハイマーになったヒトに脳量の低下を補うために神経を移植する場合(100年後には可能?)はその人のアイデンティティーはどうなるんでしょうね?移植後の思考パターンに変化が出て性格が変わっても、記憶部分に影響がなければアイデンティティーは保たれていると言えるかもしれません。どう思われますか?

無精子症の人に精原細胞移植は可能だと思いますが、この場合その人の生殖細胞のアイデンティティーは完全に損なわれるので希望者は出てこないと思いますが、精原細胞を遺伝子操作でスーパー人間ふうにしておくと、希望者が現れるかもしれませんね。(^^)


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