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Thread (1237 ) -- 20年間にわたりクローンからクローンを作り続けると、、、、
No. 2493--べ.
No. 2493 (2026/03/27 03:01) べ

https://www.nature.com/articles/s41467-026-69765-7

若山さんは世界に先がけて、マウスを使って定常的にクローンが作製できることを示したパイオニアです。今回のNature Communicationsの論文を簡単に紹介するとクローンマウスが3ヶ月齢になったらその卵丘細胞の核を使って次世代のクローンを作るという操作を20年間続けたところ、58世代目には遺伝子変異の蓄積により生まれてすぐ死亡するようになったという論文です。

若山さんの地道な研究手法は「研究は富士山の高さにちり紙を重ねてゆくようなもの」という言葉をいつも思い出させます。当たり前の結果のようですが、20年という熟成期間に支えられた深い味のある論文になっています。

野生型のマウスで雌雄の交配を約20年間・60世代続けて全ゲノムシークエンスで突然変異の蓄積を調べると1世代あたり約22個だったそうです。クローンで世代を重ねたときは生殖細胞を通りません。卵丘細胞の核を脱核卵に核移植してそれが細胞分裂して再び卵丘細胞になるまでに何回体細胞分裂するのか定かではありませんが、この体細胞分裂のあいだに一世代につきゲノム全体で約70の変異が入った勘定になるそうです。ヒトは寿命が長いので生殖細胞を経由しても一世代で約70の変異が蓄積されるようですが、これらの値と比較してクローンの70というのは核移植が原因で変異が激増したとは言えないことを示しているということです。だからこの58世代というのは体細胞分裂だけに頼った場合のマウス「系統の寿命」という解釈になるんでしょうか?

生殖細胞を経由させると染色体の転座などは次世代に伝わりにくくなるので転座などはめったにみられないそうですが、クローンの場合は体細胞分裂中に起こった転座は次のクローンに受け継がれるので(転座は58世代の間に2回見られた)、58世代くらいが突然変異の蓄積によって種を維持できなくなる無性生殖系統の限界ではないかという論文です。

ハダカデバネズミの寿命が30年くらいっていう話とは全く関係ない?とは思うのですが、なんかこじつけて考えたくなるような気もしますね。


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